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  • 著者:ジョージ フレイ

ゾウの常同行動と異常行動

By Georges Frei  On 20. August 20161. October 2016 Tagged サーカス, サーカスの象, ステレオタイプ, ゾウ, 動物園, 行動 Leave a comment 
常同行動とは何か?

動物園やサーカスを訪れる熱心な観察者は,異なる種類の動物において,下記のような異常行動と常同行動に気がつくことがある. 自分の子の毛だけではなく, 自分自身の毛を むしり取っているチンパンジー.自分と同種の鳥よりも,自分の飼育係に関心があるオウ ムやハクチョウ.柵の特定の (同じ) 場所を舐めているキリンやラクダ.自分の放飼場の縁に沿ってうろうろするエミュー, レア,ダチョウ. 自分の檻の中をグルグル歩き回って いる肉食動物. そして 本章で説明する自分の頭を左右にリズミカルに振る (揺れ動かす) ゾウ.

Sahib Fridolin

この行動は,正常か (自然か) ?

動物園とサーカスの多くの観客にとって は, 体や頭を左右に振るゾウは, まったく 正常に見える.
大人は,この行動が,ゾウのダンスの方 法であると自分の子供たちに説明する.サ ーカスの支配人ですらも, ゾウが居眠りす る間 自分の鼓動 (心拍動)  に合わせて ゾウは左右に揺れ動かなければならず, そして, この揺れ動きは,ゾウが落ち着く効果があると観客や公衆に教えている.
しかしながら,この常同行動は,ゾウの自然の行動 ((動き) ではない.野生のゾウたち は,毎日,自分が生き残るために頭が一杯だから, 常同行動をきたすような暇を決しても たない.

あなたは,この左右に揺れ動く行動を何と名付けるか?

ゾウの飼育係たちは,これらの常同行動を「はた織り(weaving) 」と呼ぶ.種々の異なるタイプの「はた織り」をするゾウたちが知られている.動物園とサーカスのゾウたちの中のある ゾウでは,足を挙げることなく,体や頭を左右や前後に非常に穏やかに揺れ動かすだ けである.他のパターンでは,鼻の揺れ動 きに伴い足を開いて,地面に覆いかぶさる ように(頭をかがめて鼻で地面を擦らんば かりに)はたを織る.若干のゾウたちは,頭をめまぐるしく, ぐるぐると回したり,一歩前進と一歩後退 を交互に繰り返したりする.

ゾウの常同行動の原因 理由 は何か?

もし,たとえば,あるゾウが他のゾウと の身体的接触を望んだ場合 (ゾウはお互い に触り合う動物なので), そして,そのゾウが,チェーン繋留 (Chains の章を参照) されているために,他のゾウとの接触を妨げ られた場合,それは常同行動を示すという 反動として返ってくるかもしれない.その ゾウは,おそらく,はた織り行動を始める だろう(揺れ動き始めるだろう) そして そのゾウが 目的を達成するまで すなわち, 他のゾウに触ることができるまで あるいは 新しい刺激 (興奮) によって気が散るまで, はた織りを続けるだろう. もし,はた織りを始めたゾウが,この重要な二つの刺激のいずれにも遭遇しなかったら 失望の循環が 再び始まり ゾウは悲しく失望した (挫折した) 動物に堕落 (退化) するかもしれない.
ゾウたちの健康的な外観 (姿) と自然な行動は,普通,ゾウたちの要求が満たされてい るということの明らかな徴候である.

サーカスの象
さらに,動物園とサーカスのゾウたちの常軌を逸した行動パターンは,ゾウたちが,彼らの活発性 (積極性 運動) を維持することに挑戦する気がなくなる飼育環境, あるいは, 飼育環境に刺激 (興奮) が欠如していることに原因があるだろう.
動物園とサーカスのゾウたちに欠けていることは,真の野性状態では,いつも存在して いる自分自身が生きていくための日々の挑戦 (生き甲斐) である.肉食動物を回避すること,食べ物と水を探して歩き回ることは,動物園やサーカスに実在しない重要な刺激であ る.上記の理由により,適切な方法でゾウたちを忙しくさせ (活気を持たせ) 続けて,達 成感をゾウたちに生み出させるような飼育管理を続けることが大切である(Behavioural Enrichment の章を参照).

もし,ゾウたちを忙しくさせ続ければ,ゾウたちは,はた織り行動を止める か?

たとえ,飼育係が,新鮮な木の枝,干し草 (乾草) 適した遊び道具をゾウたちに用意しても,ほとんどのゾウたちは (特に歳をとったゾウは) 何度も何度も,はたを織ることを始めるだろう.もし,ゾウが,ある時期に,あるいはゾウの一生のうちの他の時期に (他の動物園で) はたを織る癖がついた場合,それを完全に止めることは,ほとんど不 可能だろう.まさに麻薬中毒のように,ゾウは,常同行動を繰り返すだろう.実際には, 他のゾウもまた,この癖を覚えるかもしれない.夕方,ゾウ舎の寝室に,飼育係がゾウた ちのエサを準備している時,寝室の扉が開くのを待っているゾウたちは,この間に,はた を織るだろう.こういうとき,レストランでディナーを待っている人々や,駅で電車を待 っている人々と大差ないゾウの行動を見ることができる(人間の行動に似ている)

はたを織ることは,ゾウに害をおよぼす可能性があるか?

はたを織るような常同行動は,ゾウの正常な行動ではないという事実にもかかわらず, はたを織ることはゾウに直接有害ではない.しかしながら,長い目で見れば,継続的な揺 れ動きは,ゾウの関節,足裏,爪に影響を及ぼすかもしれない (関節炎,足裏や爪の異常 摩耗による疾患を引き起こすかもしれない). さらに,はたを織ることは,退屈 (倦怠), 欲求不満 (挫折) と寂しさ (孤独) によって引き起こされる代償性 (代わり) の行動 である.ゾウのすべての飼い主 (所有者) は,ゾウたちに適した (ふさわしい) 興味 を引くことと,変化のある (多彩な) 生活 (暮らし) を自分のゾウに提供しなければ ならない.

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