動物園のゾウは,どれくらいの数の命令 (号令) を知っているか?
ゾウの飼育係は,ゾウたちと日々つきあうために,およそ 16 種類の異なる命令語を使う. これらの命令語を使って,飼育係は,言葉でゾウとコミュニケーションする. これに加えて,命令を補助 (強化) するためにボディランゲージ (身振り手振りや,ゾ ウを触ったり撫でたりすること) を使う.このコミュニケーションは,ゾウの世話と,ゾウの安全な取り扱いに関する重要な要素である.
動物園のゾウたちは, 日々の訓練で使われる命令をよく知っている.サーカスのゾウた ちは,舞台の演技 (ショー) のために,さらに,数多くの命令を学ばなければならない.
ゾウの飼育係は,どんな言葉 (何語) を命令語に使っているか?
命令に使う言語 (言葉) は, 中央ヨーロッパのほとんどの施設では だいたい似ており, 英語, ドイツ語とシンハラ語 (スリランカの言葉) が混ざったものである.
同時にまた,あらゆる動物園とサーカスは,自分たちの施設だけで通用する特別な命令語を少しだけ追加している.
正確な命令語とは?
毎日,ゾウを取り扱う際の代表的な命令語は,次の通りである:
- come here = 私のところに来なさい.
- side = 体の側面を私に向けたまま,私から離れなさい (足を交差させるか,前後肢を同時 に小さな歩幅で動かして,体の側面を私に向けたまま,回転することなく,私から 離れなさい)
- go back = バック (後退) しなさい.
- go on = 前に出なさい.
- down = 伏臥しなさい (肘と膝をついて,おなかを地面につけて座りなさい).
- lay down = 横臥しなさい (横に寝なさい).
- up = 立ち上がりなさい (起きなさい).
- steh = 静止しなさい (じっと,そこに立っ ていなさい).
- rangu = 鼻を上に挙げなさい.
- lift = 指示した足を挙げなさい.
- diup = 頭を下げなさい.
- push = 指示したものを鼻で押しなさい.
- derri = 指示したものを鼻で持ちなさい.
- lasch = 今,鼻で掴んでいるものを離しなさい.
- Fuss hier = 指示した足をここに置きなさい.
- Fuss zurück = 指示した足を降ろしなさい (足を戻しなさい).